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花王グループ「2015年3月以降、化粧品の動物実験廃止」 サプライチェーン全体へ浸透するようガイドライン化「前向きに検討」

2015/09/11

いつから廃止?

6月22日、花王グループの執行役員らに面会し、化粧品の動物実験廃止方針を確認した件についてはすでにこちらでご報告しましたが、「いつ廃止したのか?」との確認を求めていたところ、7月15日花王グループより下記のとおり回答がありました。

6月22日の面談でお問い合わせいただきました、化粧品開発において動物実験を止めた時期につきまして、ご回答いたします。
 
動物実験の廃止に向けた動きは世界的なものであり、弊社もこれに賛同し、1980年代後半から動物実験代替法の技術開発に積極的に取り組んできています。お問い合わせいただきました化粧品(薬用化粧品を含む)について、弊社は2003年のEU規制の発効前から、製品の動物実験は廃止しておりました(※1)。その後も、動物実験代替法開発研究を進め、花王グループとして、2015年3月以降、化粧品(薬用化粧品を含む)の研究・開発において動物実験を行わず、また外部にも動物実験を委託しておりません(※2)。
 
※1:市場にある製品に関して、改めてその安全性を証明する必要が生じ、そのための選択肢が動物実験しかない場合や、法規制等により動物実験が不可欠となっている場合は除いています。
※2: 万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。
以上

※なお、今回私たちCFBが確認した花王グループが表明した動物実験廃止方針は、その対象を「化粧品」「いわゆる薬用化粧品(医薬部外品)」に限ったものであり、それ以外の製品等(たとえば洗剤等)は対象ではありません。

動物実験なしの原料調達「前向きに」

花王グループは「花王の技術やノウハウ等を生かした“よきモノづくり”を通じて、社会的課題の解決に取り組み、社会のサステナビリティに貢献していきます」と謳い、原産地における森林破壊ゼロを目指して、国内企業としてはいち早くパームオイルや紙などの調達にあたって独自に「原料調達先ガイドライン」を設定し、目標や行動指針を定めています。

そこで、私たちCFBは6月22日、花王グループに対し、この取り組みの延長として、動物実験の削減・廃止と動物実験代替法利用による動物愛護への配慮を加えた、新たな原料調達ガイドラインを策定し、サプライチェーン全体における脱・動物実験を目指すよう要望しました。

〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号
花王株式会社
代表取締役 社長執行役員
澤田道隆 殿

化粧品の動物実験廃止にかかる
原料調達方針の策定を求める要望書

私たちは、美しさを追求するはずの化粧品開発に際して、美しさとは対極に位置する残酷な動物実験が行われていることに強い憤りを覚え、一刻も早くそれが全廃されることを望んでいます。
本年に入り、貴社は、公式ウェブサイトにおいて「花王グループの化粧品における動物実験に対する考え方」として「化粧品(医薬部外品を含む)の商品開発に際し、外部委託を含めて動物を用いた試験は行っていない」「今後も行う予定はない」との方針を明らかにされました。
また、本年3月、当会の構成団体であるNPO法人JAVAが行った調査に対しても、上記の方針に加え「今後ともお客様に安全な製品をお届けしていくことを第一に、動物愛護、環境保護も十分考慮し、信頼される製品づくりになおいっそう取り組んで参ります」との決意を表明されました。
「社会の要請により安全性の説明をする必要が生じた場合を除く」との動物実験を実施する例外条件はあるものの、貴社グループがこれまで化粧品開発に際して行ってきた動物実験を原則として廃止するという決断に至ったことを、私たちは、「美しさに動物の犠牲はいらない」と考える消費者を代表して、評価し、歓迎します。
一方、これまで私たちが貴社をはじめとする複数の大手化粧品企業に対して「自社における動物実験の実施の取りやめ」「外部への動物実験の委託の取りやめ」という決断を促してきたなかで、原料調達先における動物実験の問題が、新たな課題として浮かび上がってきています。
すなわち、消費財メーカーが「動物実験を廃止した」と公言しているにもかかわらず、その製品の原料に対して動物実験が行われているようでは、動物実験を行わないという方針は機能しているとはいえません。その方針は、原料調達先をはじめとするサプライチェーン全体に到達し、共有され、順守されて初めて機能するものと考えます。実際にEUでは、2009年3月11日または2013年3月11日以降動物実験が行われた化粧品及びその原料の流通(輸入)が禁止されており、その運用が滞りなく行われていることからも、日本でも一企業がかような対応をとることは現実的に可能であることを示しています。
EUの完全禁止から2年が経過し、国内でも複数の大手化粧品企業が動物実験の廃止を続々と宣言するなか、満を持して上記方針を表明された貴社には、化粧品・家庭用品のシェア第1位を誇る立場として、原料調達に至るまでの動物実験廃止を確かなものとし、動物愛護も十分に考慮した真にエシカルな企業を体現していただきたく、下記のとおり要望いたします。

1.    花王グループとして、期限を定め、その日以降に動物実験が行われた原料は調達しないとする「動物実験していない化粧品等原料」の調達ガイドラインを新たに策定してください。

上記要望事項につきまして、本年末までに書面にてご回答くださるよう、お願い申し上げます。また、8月末乃至9月上旬をめどに、その検討過程における進捗状況を書面にて、または直接面会のうえご報告いただきたく、お願い申し上げます。

2015年6月22日
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町12-3ニュー渋谷コーポラス1009
アニマルライツセンター内 TEL/FAX03-3770-0720
美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会
亀 倉 弘 美(JAVA理事)
岡 田 千 尋(ARC代表理事)
東 さ ち こ(PEACE代表)
構成団体:    NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)
    NPO法人アニマルライツセンター(ARC)
    PEACE~命の搾取ではなく尊厳を

これに対し、9月8日付の書面(PDF)にて、

ご要望の件はその主旨を前向きにとらえ、新たな原料調達に際して動物実験の状況の確認を進めていくこととし、その方法については検討して参ります。

との経過報告がありました。

化粧品メーカーが、その原料一つに至るまで、動物実験が行われていないことを保証できるシステム作りについて、「 World's Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)※」と評される花王グループの実行力とブランド力に期待したいと思います。

※米国のシンクタンク「Ethisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)」が毎年選定。花王は9年連続で選ばれている。

花王へあなたの声を!

「『動物実験していない原料調達ガイドライン』を新たに策定してください!」

自社グループにおける動物実験廃止にとどまらず、原料メーカーなどサプライチェーン全体に「動物実験廃止」の方針が浸透するように、あなたの声を届けて、花王グループに大企業としての勇気ある決断を促してくださるようお願いします。
http://www.kao.com/jp/soudan/
https://www.facebook.com/corp.kao

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