化粧品企業に対して「化粧品の動物実験の禁止に関するアンケート調査」を実施

化粧品の動物実験禁止の実現には、化粧品業界の賛同や意向が重要です。そのため、私たち「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会」(CFB)は、下記のような動向を踏まえ、化粧品関係企業の意向を把握することを目的に「化粧品の動物実験の禁止に関するアンケート調査」を実施しました。

また、アンケート郵送の際には、CFBが行っている「化粧品の動物実験の禁止を求める請願署名」の活動を知ってもらうために署名用紙を同封し、賛同・協力も求めました。

アンケート実施の背景となった国内外の動向

  • 2013年のEUにおける化粧品の動物実験の完全禁止(動物実験の実施の禁止と、動物実験が新たに行われた化粧品の販売の禁止の二本柱)を中心に、何らかの形で禁止を法制化している国は45か国以上にのぼる。
  • 日本においても、大手企業をはじめとした多くのメーカーが、化粧品の動物実験を自主的に廃止しているが、日本で販売される化粧品すべてに「クルエルティフリー(動物実験していない」を実現するためには、法的禁止が必要である。
  • 日本の国会でも「動物福祉(アニマルウェルフェア)を考える議員連盟」の中に「化粧品の動物実験廃止ワーキングチーム」が設置され、検討が進められている。

   

<アンケート結果>

禁止に「反対」の回答はなし! 

アンケート調査概要
 
アンケート実施期間:2026年6月22日~7月24日
対象:国内の化粧品関係企業 1,337社
回答数/回答率:93社(7.0%)※いずれかの質問に回答した企業の数

回答率は決して高いとは言えませんが、「動物実験の法的禁止」についての考えを問うセンシティブな質問に対して、93社から回答を得られたことは大きな意義があると考えます。

またそのうち、「賛成」「どちらでもないが、禁止されれば従う」を合わせると83社(回答93社中89%)となり、明確な反対の意思を示した企業は1社もありませんでした。

「賛成」と回答した企業には、「CFBの署名への賛同や拡散」や「業界内での合意形成に取り組む」など積極的な姿勢を示したところも少なくなく、私たちの活動にとって大きな後押しとなります。

なお、参考まで動物実験の実施状況についても質問しましたが、93社のうち9割超が「動物実験を実施も外部委託もしていない」との回答であり、廃止予定との回答も1社得られました。

今回の調査結果は、化粧品の動物実験禁止に向けたCFBのロビー活動に有効活用してまいります。

アンケートのご協力くださった企業の皆様、ありがとうございました。

*このアンケート調査における用語の定義はページの末尾をご覧ください。

集計結果

Q:諸外国と同様に日本においても、化粧品の動物実験を法的に禁止することについて、どのようにお考えですか?

回答社数割合
賛成4751%
どちらでもないが、禁止されれば従う3639%
その他*77%
反対00%
無回答33%

*その他の主な回答

  • 禁止文案内容の一部を改訂いただければ賛成できる。(同趣旨計2件)
  • どちらでもない。
  • 化粧品ならびに化粧品原料にて、原則、動物実験を禁止する考えに賛同しているが、法令の具体的な内容が定まらないと、賛否の表明は難しいと考えている。
  • どちらでもない。弊社では既に化粧品の動物実験は実施していないため禁止されたから従うという状況ではない。
  • 現時点で当社としての方針が定まっていないため、現段階では回答を差し控える。

「賛成」の回答をした企業のうち社名の公表に同意した企業(25社)

<五十音順>

アースコンシャス株式会社
アルデバラン株式会社
株式会社エー・アイ・クリエイション
農業生産法人 株式会社 国頭椿
株式会社クレコス
株式会社コスメテックス
株式会社壽商会
株式会社彩生舎
サキュレアクト株式会社
株式会社シー・ビー・エィ
株式会社資生堂
株式会社粧薬研究所
susurro

株式会社セプテム総研
有限会社チェリッシュ企画
株式会社地の塩社
NAOS JAPAN株式会社
株式会社日本グランド・シャンパーニュ
株式会社ノエビア
株式会社ブルーム
株式会社ラヴィステラ
ラッシュジャパン合同会社
株式会社リトル・サイエンティスト
株式会社ルバンシュ
株式会社ロゴナジャパン

Q:貴社の化粧品関連事業について、該当するものすべてを選択してください。(複数回答)

事業内容社数
自社製品の製造販売79
他社製品の受託製造30
自社製品の輸入販売15
他社製品の輸入販売11
原料の製造販売14
原料の輸入販売4
その他*4

*その他の内訳:
化粧品製造を今後行わない予定が1社、他社製品の輸入代行(販売はしていない)が1社、化粧品等の試験検査が1社、原料の販売が1社

Q:化粧品の動物実験の法的禁止を実現させるために、貴社は何らかのお取り組みをされるお考えはありますか?可能な取り組みをすべて選択してください。(複数回答)

対応内容社数
法的禁止に対応できる社内体制を整える40
私どもの署名への賛同や拡散21
業界内での合意形成に取り組む12
ウェブサイトやSNSで賛成を表明する10
国会議員や省庁への働きかけを行う3
その他*22
無回答18

*その他の主な回答

  • 化粧品の動物実験は受託しない。
  • 使用する原料については、動物実験を行っていないものを購入している。自社の開発においても動物実験は行っていない。
  • 現時点ではなし
  • サステナビリティレポートでの開示
  • 店頭でのお客様へのご案内、キャンペーンの実施等
  • 製造が海外のため法に従う。
  • 法的という大きな動きは考えられていなかった。以前より開発活動の中で動物実験はしないという会社、部の方針はある。
  • 法的禁止が実現した場合は、対応できる体制を整える。(同趣旨計4件)

Q:貴社では現在、化粧品(製品・原料)のための動物実験を実施または外部委託していますか?(複数回答あり)

※万が一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、中国など一部の国において行政から求められた場合を除きます。

回答社数
実施している0
外部委託している*1
実施も外部委託もしていない(「その他」との複数回答含む)87
現在は実施しているが廃止予定0
現在は外部委託しているが廃止予定(「その他」との複数回答)**1
その他***6
無回答1

*外部委託していると回答があったのは「他社製品の受託製造」(OEM)企業。

**廃止予定の1社は「医薬部外品新規添加剤申請において、代替法で申請しても動物実験の実施を求められるケースがあり、対応に苦慮している」と回答。

***その他の主な回答:

  • 海外製造のため当社は試験に関与していない。製造元では動物を使った試験は行っていないと聞いている。
  • 製造は外部企業に委託しているので判断は任せている。現時点で弊社顧客からは具体的な要望は出ていない。
  • 製品:実施及び外部委託をしていない。
    原料:弊社が購入する目的で、実施及び外部委託をしていない。

法的禁止の賛否の質問に寄せられたコメント

  • アースコンシャス株式会社「動物を犠牲にすべきでなく、その必要もない。EUですでに禁止されているのだから、日本でも実現は可能。」
  • サキュレアクト株式会社「すでに多くの化粧品原料が市場にはあり、新しく開発される原料についても実験手段が動物を利用しなくても対応可能になっているから。誰かのかなしみの上にある美しさは必要ないと思う。」
  • 株式会社資生堂「当社の動物実験に対する取り組みは、サステナビリティレポート2025(P46)にて開示しております。」
  • ラッシュジャパン合同会社「『動物実験反対』は単なるポリシーではなく、ラッシュが目指す目標でありコアバリューです。世の中から動物実験がなくなるその日まで、私たちは声を上げ続けます。
  • 自らこのポリシーを徹底してビジネスを展開することはもちろん、世界への働きかけや活動団体の皆さまとの連携を通じた啓発活動など、これからも動物実験廃止に向けて世界中で戦い続けます。」
  • 株式会社ラヴィステラ「動物は人間と同様に痛みや苦しみを感じるため、いかなる理由においても、苦痛を与えるべきでないと思うため。」
  • 社名非公開「代替できる手法もあり、安全性確認は可能と考える。動物への負担、過酷さを考え、以前より動物実験をしない世界にできたらと考えていた。」
  • 社名非公開「弊社では、製品の動物実験を実施しておらず、今後も動物実験を実施しない方針です。そのため、化粧品の動物実験を法的に禁止する方向性については、賛成します。」
  • 社名非公開「化粧品の動物実験を禁止(動物実験の削減・代替を推進)する方向性については賛同いたします。しかしながら、諸外国を含め、行政における安全性評価の審査制度については、十分な評価ガイドラインが構築されていない部分もあると認識しております。今後、審査を行う行政機関において、安全性評価に関するガイドラインの策定・整備を進めていただくことを希望いたします。」
  • ケミコスクリエイションズ株式会社「輸出も多いため、REACH規則を含む各国の化学物質規則に対応した安全性評価が重要であり、科学的に妥当性が確立された代替試験法の活用には賛成する。原料選定は各国の化粧品規制及びREACH規制における制限物質等をふまえ、適合する原料を選定している。」
  • 社名非公開「動物実験は反対だが、化粧品では禁止、一方で医薬品では仕方ないとの考え方では解決にならないと思う。化粧品でだけ禁止すれば良いではなく、まずは医薬品も含めて動物実験全体の限度の制定、環境改善、実験動物への人道的扱いについて取り組むべきと考えるから。とは言え、化粧品での動物実験代替法が確立されることで医薬品でも代替法が普及すれば望ましいとも思う。」
  • 社名非公開「弊社は外部環境の変化に柔軟に対応する体制を強化すると共に、化粧品工業会の会員として、動物実験代替法の開発と実用化を推進しております。」
  • 社名非公開(4番目の質問で「外部委託している」と回答)「代替法が十分に確立できていない中で、安全性に関する評価は不可欠であり“やむをえず”というところはあると思う(理解できる)。その一方で、動物実験が好ましくないことは当然であり、不要となる体制づくりも必要です。」
  • 社名非公開「製品の安全性確保において、全身毒性における代替法の妥当性に懸念があるため。」
  • 社名非公開「輸入を代行している立場であり、技術提案できるわけでもなく、賛否を言う立場にない。また製造が海外のため日本の法規制については、従うとしか回答できかねます。」
  • 2社同一文面「現在の文案書では、化粧品以外の法律(日本以外も含む)の要求に従って動物実験を行った場合も、その原料を配合した化粧品の販売が禁止されるように解釈できます。この解釈については、世界で例がなく、過剰規制につながると考えます。医薬品など未だ動物実験が必要な分野があることも踏まえ、禁止文案について「化粧品開発の目的に実施された動物実験を化粧品の安全性の説明に用いた場合、その化粧品の販売は禁止」などの修正をご検討ください。」
  • 社名非公開「国内外の法規制・ガイドライン上の要求や社会的な要請があり、かつ、適切な代替法がない場合、動物実験が避けられないこともあるとも考えており、その時の対応について法令にどう盛り込まれるかが重要だと考えています。」
  • 株式会社ファイントゥデイ(個々の質問項目への回答は差し控え、備考欄)「動物実験に関するポリシーは2023年1月にHPにて公開しているので、それを回答に代える」として自社方針書を同封。

このアンケート調査における用語の定義

「化粧品」とは、次のものを指す。
 
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第二条第3項に該当する「化粧品」
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第二条第2項の一、三に該当する「医薬部外品」(当該条項の二は除く)のうち、スキンケア、ヘアケア、口腔ケア等を目的とする薬用化粧品
 
「動物」とは、次のものを指す。
 
ヒト以外の生きている脊椎動物。以下の(ⅰ) (ⅱ)を含む
(ⅰ)自立して摂食している幼生体
(ⅱ)通常発達の最終期である第3期の哺乳動物の胎児
生きている頭足類(イカ、タコなどの軟体動物門頭足網)
 
EUの「DIRECTIVE 2010/63/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 22 September 2010 on the protection of animals used for scientific purposes;科学的な目的のために使用される動物の保護に関する2010年9月22日の欧州議会及び理事会指令2010/63/EU」と同等の範囲を採用しています。
 
「化粧品の動物実験の法的禁止」とは、CFBが国会に求めている下記の2点の禁止を指す。
 
日本国内における化粧品のための動物実験の「実施」の禁止
1の禁止を定めた法律の施行日以降、原材料及び製品に関して動物実験が行われた化粧品の日本国内での「販売」の禁止

化粧品の動物実験禁止
国会請願署名にご協力ください

第一次集約期限;2027年1月末日